中国本土の旅行は、北京や上海の歴史と近未来的な都市景観、高速鉄道、地方ごとの食文化を一度に楽しめる一方、支払い、通信、実名制交通、身分証確認など日本とは違う準備が必要です。「現地へ着いてからアプリを入れればいい」と考えると、認証や決済で時間を失うことがあります。
本記事では、2026年に中国本土を訪れる旅行者が避けたいNG行動を15項目にまとめました。法律や政治を不必要に恐れるのではなく、公式ルールを事前に確認し、公共空間と現地の人を尊重して旅行するための実用ガイドです。香港・マカオは制度が異なるため、本記事の対象外です。
中国旅行で避けたい15のNG行動
- パスポートをホテルに置いたまま移動する
- 鉄道や航空券の氏名を旅券と違う表記で予約する
- モバイル決済を現地到着後に初めて設定する
- 現金や予備カードを持たない
- 普段の地図・SNS・クラウドが必ず使えると思う
- 無許可のVPNや通信手段を安易に勧める
- 軍事・警察・検問・重要施設を撮影する
- 政治的話題を挑発的に議論する
- 配車・白タク・客引きの確認をしない
- 横断歩道で電動バイクを見落とす
- 列・セキュリティチェック・実名制を軽視する
- 飲料水と食品衛生を自己判断だけで済ませる
- 偽QRコードや不審な決済要求に応じる
- 薬・出版物・ドローンなど持ち込み品を確認しない
- 入境、宿泊登録、緊急連絡先を準備しない
1. パスポートをホテルへ置いたまま遠出しない
中国では高速鉄道の乗車、ホテルのチェックイン、観光施設の入場、通信契約などで旅券確認が必要になる場面があります。原本を持つ必要がある場面と写しで足りる場面を確認し、外出時は盗難対策をしたうえで携帯します。
パスポートの顔写真ページ、ビザ、入国印、保険証書は暗号化したデータと紙の写しを分けて保管します。紛失した場合は現地警察と自国の大使館・総領事館へ連絡し、他人の旅券で代用しようとしないでください。
2. 鉄道・航空券を旅券と違う氏名で予約しない
中国の鉄道は実名制で、外国人旅行者もパスポート情報による本人確認を行います。ミドルネーム、省略、姓名の順序などが旅券と異なると、オンライン確認や乗車時に問題が起こる可能性があります。予約画面の指示に従い、旅券どおり入力します。
中国鉄路12306の英語サイト・アプリでは、外国旅券による認証や国際カード・モバイル決済に対応する案内があります。認証に時間がかかる場合を考え、直前ではなく早めに登録してください。
3. Alipay・WeChat Payを到着後に初めて設定しない
中国本土ではQRコード決済が日常のさまざまな場面で使われます。外国人はAlipayやWeChat Payへ国際ブランドカードを紐付けられる案内がありますが、SMS認証、旅券確認、カード会社の不正利用検知で止まることがあります。
出発前に公式アプリを入れ、本人確認、カード登録、少額決済の可否を確認します。画面共有を求める見知らぬ人や、認証コードを聞く相手には応じないでください。決済限度額や手数料は最新案内を確認します。
4. スマホ決済だけに頼らず、現金とカードも用意する
外国人向け決済は改善されていますが、通信障害、端末故障、本人確認エラーは起こり得ます。人民元の現金、国際カード、複数の決済手段を分散して準備しましょう。中国政府は現金受け入れの確保も案内しています。
ATMは対応ブランドを確認し、周囲に不審な装置がないか見ます。両替は銀行や認可された窓口を利用し、路上の個人両替は避けます。支払い前に金額を画面で確認し、ゼロの数を見落とさないようにします。
5. 日本で使う地図・SNS・クラウドが同じように動くと思わない
中国本土では利用できるウェブサービスや地図環境が他国と異なります。ホテル住所、予約番号、緊急連絡先、鉄道駅名をオフラインでも見られるよう保存してください。地図の座標や英語表記が分かりにくい場合に備え、中国語住所も用意します。
現地SIM、eSIM、国際ローミングは利用条件が違います。自分の端末が対応しているか、通話番号が必要か、SMSを受け取れるかを通信会社へ確認します。無料Wi-Fiだけで全旅程を乗り切る計画は避けましょう。
6. 規制を回避する通信手段を軽率に使わない
旅行者同士の情報ではVPNなどが話題になりますが、通信や暗号化サービスには現地法令と利用条件があります。取り締まりを回避する方法や無許可サービスの利用を他人へ勧めず、自国の通信事業者と中国側の公式案内を確認してください。
仕事で特定サービスへの接続が必要な場合は、勤務先の情報管理担当者と事前に相談します。機密資料を公共Wi-Fiで扱わず、端末の更新、強いパスコード、二段階認証、遠隔消去を準備しましょう。
7. 軍事・警察・検問・重要インフラを撮影しない
駅、空港、港湾、政府関連施設などでは撮影制限の表示や係員の指示に従います。軍人、警察官、検問、セキュリティ設備、デモや事故現場を興味本位で撮影すると、確認や削除を求められる可能性があります。
ドローンは飛行区域、機体登録、操縦資格などの規則があります。景色が開けているから飛ばしてよいとは限りません。施設、空港、国境、軍事関連区域の近くでは特に、公式許可を得ていない飛行を避けます。
8. 政治や歴史を挑発的に議論しない
政治、領土、民族、歴史、宗教などは繊細な話題です。相手の立場を試す質問、SNS向けの挑発、公共の場での大声の議論は避けましょう。旅行者が短い滞在経験だけで社会全体を断定するのも失礼です。
現地の人が話題にした場合も、録音や公開を前提にせず、聞く姿勢を持ちます。許可なく会話を撮影・配信しないことは、政治的話題に限らない基本的なプライバシーマナーです。
9. 白タク・無登録送迎・強引な客引きを利用しない
空港や駅で声を掛けてくる車が正規サービスとは限りません。公式タクシー乗り場、ホテル手配、認知度の高い公式配車アプリを使い、ナンバー、運転手情報、料金方式を確認します。
目的地を中国語で保存し、乗車前におおよその距離と料金を把握します。運転手がアプリ外決済や別車両への乗り換えを強く求めた場合は、無理に応じず人の多い場所へ移動してください。
10. 青信号でも電動バイクを確認せず渡らない
都市部では電動自転車やスクーターが多く、静かに近づくため気付きにくいことがあります。青信号でも左右と後方を確認し、歩きスマホをやめて横断します。車線や自転車レーンへ突然出ないようにしましょう。
シェア自転車を使う場合は、交通方向、駐輪場所、保険、ヘルメットの推奨を確認します。旅行者が慣れない大通りを夜間に走るのはリスクが高いため、地下鉄や徒歩へ切り替える判断も必要です。
11. セキュリティチェックと列の時間を甘く見ない
鉄道駅や地下鉄、観光施設で手荷物検査が行われることがあります。刃物、可燃物、スプレーなどの扱いは交通機関ごとに確認してください。発車直前に駅へ着くと、本人確認と検査で乗れない可能性があります。
大型駅は入口、待合室、改札、乗り場が広く離れています。連休や祝日は混雑するため、余裕を持って移動します。割り込みや係員への怒鳴り声は問題を解決せず、周囲とのトラブルを増やします。
12. 水道水と食品衛生を自己判断だけで済ませない
旅行者は、ホテルが案内する飲料水、煮沸水、密封されたボトル水を利用すると安心です。屋台や食堂では、客の回転、加熱状態、器具の清潔さを見て選びます。胃腸が弱い人は急に辛い料理や冷たい料理を重ねないようにしましょう。
食物アレルギーは中国語で書いたカードを用意し、油、だし、ソースに含まれる成分も確認します。症状が出たら我慢せず医療機関を利用し、海外旅行保険の連絡先を保存しておきます。
13. 店頭やタクシーの不審なQRコードを読み込まない
QRコードは便利ですが、上から偽コードを貼る詐欺や、個人送金を装う要求には注意が必要です。支払先名と金額を確認し、店員が示した公式コードかどうか分からない場合は別の方法を選びます。
「返金のため」「本人確認のため」として認証番号や画面共有を求める相手へ情報を渡さないでください。決済通知を有効にし、不審な請求を見つけたらカード会社や決済サービスへすぐ連絡します。
14. 薬・出版物・ドローン・大容量電池の持ち込みを確認しない
医薬品、食品、動植物、出版物、撮影機材、無線機器などは、品目や数量によって申告・許可・禁止の対象になる場合があります。処方薬は医師の英文証明や処方内容を用意し、中国税関と航空会社の公式情報を確認してください。
モバイルバッテリーは航空安全規則で容量や表示が問題になることがあります。預け荷物へ入れられない品もあるため、出発空港、航空会社、中国側の最新ルールを照合します。
15. 入境・宿泊登録・緊急連絡先を準備しない
ビザや査証免除の条件、入境カード、パスポート残存期間は国籍と渡航目的で異なります。ホテル以外の住宅に泊まる場合は、外国人の宿泊登録が必要になることがあります。ホスト任せにせず、現地公安機関の案内を確認してください。
警察は110、救急は120、消防は119です。自国大使館・総領事館、旅行保険、家族の連絡先を紙と端末に保存し、旅程を家族へ共有します。トラブル時に法令を自己解釈せず、通訳や領事支援を求めましょう。
出発前チェックリスト
- 旅券どおりの氏名で鉄道・航空券を予約
- Alipay・WeChat Payと予備決済を準備
- 中国語住所と予約情報をオフライン保存
- SIM・eSIM・ローミングの条件を確認
- 薬・電池・機材・食品の持ち込みを確認
- ホテルと宿泊登録の可否を確認
- 保険・領事館・緊急番号を保存
中国旅行マナーのFAQ
現金だけで中国旅行はできますか?
現金は法定通貨として使えますが、オンライン予約、配車、一部の無人サービスではモバイル決済が便利です。現金だけ、スマホだけのどちらか一方にせず、複数手段を持つのが現実的です。
英語だけで移動できますか?
国際空港や大都市の主要施設では英語表示がありますが、タクシーや地方では中国語住所が役立ちます。翻訳アプリ、スクリーンショット、ホテルの名刺を準備してください。
写真撮影はどこでも可能ですか?
いいえ。撮影禁止表示、係員の指示、私有地と人物のプライバシーを優先します。軍事・警察・検問・重要施設、ドローン飛行は特に事前確認が必要です。
まとめ
中国旅行を快適にする鍵は、旅券、決済、通信、交通の4点を日本で準備しておくことです。現地法令を尊重し、撮影や会話では相手のプライバシーへ配慮し、複数の支払い・連絡手段を持てば、多くの失敗は防げます。
デジタルサービスは改善が続いているため、古い旅行記だけに頼らず、旅行直前に中国政府、鉄道、航空会社、通信事業者、自国の外務当局の最新情報を確認してください。
